知的財産管理技能検定

2022年1月25日

知的財産管理技能士会の会員で、2級知的財産管理技能士の管理人が徹底解説!

知的財産管理技能検定ってなに?どういう資格?メリットある??

近年、知的財産権はあらゆる企業にとって重要性が増しています。

知的財産権とは、

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、営業秘密等をいいます。

知的財産管理技能検定は、それら知的財産権の知識について主に出題されます。

民法や知的財産権に関する条約等についても問われるため、出題範囲は比較的広く、しっかりと勉強時間を確保し、理解した上で試験に臨む必要があるといえます。

この資格は民間資格ではじまり、現在は国家資格となっています。

また、試験に合格すると、「知的財産管理技能士」となります。

管理人は2級に合格しているため、「2級知的財産管理技能士」を名乗ることができますが、知的財産管理技能検定は、いわゆる名称独占資格となっています。したがって、独占業務はありません。

就職、転職の際に加点要素の1つとなり、差別化は図ることが出来るでしょう。

また、キャリアアップに繋がり、昇進、昇格も期待出来る資格といえます。

この先、IPランドスケープ(知的財産を活かした経営)という言葉がより一層一般的になっていくと思われ、知財に関する知識を持つことは、社会人として必須のものとなっていくでしょう。

知的財産管理技能検定の合格率と難易度は?

まず、各級の合格率と難易度2020年、2021年に実施された試験結果をもとに見ていきます。

知的財産管理技能検定は、3級、2級、1級に分かれています。

2020年7月試験

3級 学科:66.3% 実技:69.2%

2級 学科:35.5% 実技:31.3%

1級(特許) 学科:実施無し 実技:81.8%

1級(コンテンツ) 学科:11.1% 実技:実施無し

1級(ブランド) 学科:8.3% 実技:実施無し

2020年11月試験

3級 学科:67.8% 実技:65.1%

2級 学科:37.0% 実技:42.1%

1級(特許) 学科:4.7% 実技:実施無し

1級(コンテンツ) 学科:実施無し 実技:90.5%

1級(ブランド) 学科:実施無し 実技:90.5%

2021年3月試験

3級 学科:62.1% 実技:74.4%

2級 学科:31.2% 実技:35.2%

1級(特許) 学科:実施無し 実技:69.0%

1級(コンテンツ) 学科:実施無し 実技:実施無し

1級(ブランド) 学科:4.9% 実技:実施無し

2021年7月試験

3級 学科:61.0% 実技:68.5%

2級 学科:53.4% 実技:50.4%

1級(特許) 学科:実施無し 実技:実施無し

1級(コンテンツ) 学科:26.7% 実技:実施無し

1級(ブランド) 学科:実施無し 実技:72.2%

2021年11月試験

3級 学科:70.5% 実技:65.0%

2級 学科:57.8% 実技:31.8%

1級(特許) 学科:12.9% 実技:実施無し

1級(コンテンツ) 学科:実施無し 実技:76.4%

1級(ブランド) 学科:実施無し 実技:実施無し

管理人は、2級の学科試験と実技試験を一発合格しています。

2級については、管理人は実技試験の方が難しく感じました。

試験回によって難易度に多少のバラつきはありますが、

2級については概ね学科試験、実技試験ともに30~50%程度の合格率となっています。

10人中、5、7人は落ちる試験ですので、簡単では無いと言えるでしょう。

3級については、学科試験、実技試験ともに概ね60~75%程度の合格率となっていて、知的財産の入門的位置づけの級であることが窺えます。

一方、1級は学科試験に合格した人だけが実技試験を受けることが出来ること、更に1級学科試験の合格率は10%前後となっていることから、非常に難易度が高いといえます。

続いて、各級に求められる試験の対象者像から難易度を見ていきます。

3級

知財管理の職種における初級の技能者

上司の指導の下で知財管理業務を行う

あるいは弁理士等の外部の専門家と連携して知財管理に関わる課題を解決できる初歩的な知識を持つ

2級

知財管理の職種における初級の技能者

上司の指導の下で知財管理業務を行う

あるいは弁理士等の外部の専門家と連携して知財管理に関わる課題を解決でき、一部は自律的に解決できる技能及び基本的知識を持つ

1級(コンテンツ、ブランド、特許)

知財管理の職種における上級の技能者

知財管理に関わる課題の発見と解決を主導できる技能及び専門的知識を持つ

管理人の友人には弁理士もいて、知り合いの中に知的財産管理技能士は多数います。

皆さん口を揃えて言うのは、1級の取得は費用対効果(費用には時間を含む)が低過ぎる、と。

つまり、難易度が高い割に、知名度が低く、1級取得に見合う評価がされないということになります。

2022年1月時点で、累計の受験者数は41万人を突破し、

3級、2級、1級を合わせた知的財産管理技能士(合格者数)は約11.6万人となっています。

そのうち、3級が約7.4万人、2級が約3.9万人、1級は3,000人弱

1級は、本気で弁理士資格を取ろうとしている人、取ろうとした人、あるいは取った人が、受験するか、大手企業の知的財産部門で専門性を高めてきた人が、1つの区切りとして、その知識を客観的に証明するためのものといえます。

従って、それ以外の人は、基本的に2級取得をゴールに設定するのが、現時点では一番費用対効果が高いといえるでしょう。

管理人的には学生、20代の社会人は3級でも十分履歴書に書く価値はあると思います。2級であれば、転職活動時の履歴書に書く価値は多いにあると言えるでしょう。

知的財産管理技能検定、各級の試験概要について

3級、2級、1級共通で、学科試験&実技試験があり、学科と実技両方の試験に合格する必要があります。

※1級のみ、実技試験に口頭試問あり

3級

筆記試験30問・45分(3肢択一) 合格基準70%以上

実技試験30問・45分(記述方式) 合格基準70%以上

2級

筆記試験40問・60分(4肢択一、一部3肢択一) 合格基準80%以上

実技試験40問・60分(記述方式) 合格基準80%以上

1級

筆記試験45問・100分(4肢択一、一部3肢択一) 合格基準80%以上

実技試験5問・約30分(筆記&口頭試問) 合格基準60%以上

1級は特許専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド専門業務の3分野に分かれている

 

3級に受験資格はなく、知的財産に関する業務に従事している者または従事しようとしている者は誰でも受験可能です。

一方、2級と1級には受験資格があります。

2級の受験資格は、

・知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者

・3級技能検定の合格者

・大学又は大学院で検定職種に関する科目について10単位以上を修得した者

・ビジネス著作権検定上級の合格者

・学科または実技いずれか一方の試験のみの合格者(期限あり)

管理人は、2年の実務経験を有していた為、受験資格があり、2級を受験することができました。申請に証明書類等は必要無く、自己申告でした。

1級の受験資格は、

学科試験

・知的財産に関する業務について4年以上の実務経験を有する者

・2級技能検定の合格者で、知的財産に関する業務について1年以上の実務経験を有する者

・大学又は大学院で検定職種に関する科目について10単位以上を修得した者

・3級技能検定の合格者で、知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者

ビジネス著作権検定上級の合格者で、知的財産に関する業務について1年以上の実務経験を有する者

実技試験

・1級技能検定学科検定の合格者

知的財産管理技能検定合格のための勉強時間は?テキストどれ使う??

管理人は2級を受験、合格していますが、勉強期間、勉強時間としては、約3カ月間、計100時間程度でした。コツコツほぼ毎日30分~2時間程度勉強しました。勿論、勉強時間0時間の日もありましたが、極力10分でも毎日勉強するようにしていました。

管理人が使ったテキストは1冊、問題集は学科試験用1冊、実技試験用1冊でした。

早稲田経営出版のスピードテキストとスピード問題集(学科・実技)になります。

管理人の体験に基づく感想としては、スピード問題集で学科は十分対応出来ますが、実技は試験回によっては対応が難しいのではないか、と感じました。

万全を期すのであれば、スピード問題集(実技)に加えて、もう1冊取り組めるようであれば良いと思いますが、時間が限られ、中途半端にやるくらいであれば、スピード問題集(実技)を極力何度もやった方が効率良く効果は高いでしょう。

Posted by kimoty