景品表示法の改正について 公布日:令和5年5月17日
一般消費者の利益の一層の保護を図ることを目的に景品表示法が改正されました。
その改正の概要について確認したいと思います。
成立日:令和5年5月10日
公布日:令和5年5月17日
施行日:公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日(一部を除く)
景品表示法の改正法案(概要)
商品又は役務の取引に関する表示をめぐる状況に鑑み、景品表示法の改正により、事業者の自主的な取組の促進、違反行為に対する抑止力の強化等を講ずることで、一般消費者の利益の一層の保護を図る。
※消費者庁のHPより抜粋
主な改正事項は下記となっています。
・確約手続の導入
・課徴金制度における返金措置の弾力化
・課徴金制度の見直し
・罰則規定の拡充
・国際化の進展への対応
・適格消費者団体による開示要請規定の導入
1 事業者の自主的な取組の促進
確約手続の導入
・ 優良誤認表示等の疑いのある表示等をした事業者が是正措置計画を申請し、内閣総理大臣から認定を受けたときは、当該行為について、措置命令及び課徴金納付命令の適用を受けないこととすることで、迅速に問題を改善する制度の創設(第26条~第33条)
課徴金制度における返金措置の弾力化
・ 特定の消費者へ一定の返金を行った場合に課徴金額から当該金額が減額される返金措置に関して、返金方法として金銭による返金に加えて第三者型前払式支払手段(いわゆる電子マネー等)も許容(第10条)
2 違反行為に対する抑止力の強化
課徴金制度の見直し
・ 課徴金の計算の基礎となるべき事実を把握することができない期間における売上額を推計することができる規定の整備(第8条第4項)
・ 違反行為から遡り10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対し、課徴金の額を加算(1.5倍)する規定の新設(第8条第5項及び第6項)
罰則規定の拡充
・ 優良誤認表示・有利誤認表示に対し、直罰(100万円以下の罰金)の新設(第48条)
3 円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等
国際化の進展への対応
・ 措置命令等における送達制度の整備・拡充、外国執行当局に対する情報提供制度の創設(第41条~第44条)
適格消費者団体による開示要請規定の導入
・ 適格消費者団体が、一定の場合に、事業者に対し、当該事業者による表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請することができるとともに、事業者は当該要請に応ずる努力義務を負う旨の規定の新設(第35条)
今回の改正の効果について最後に考えてみましょう。
・違反した事業者自らの主体的な改善を促進することで、違反表示の改善がより速やかに進むことが期待されます。
・違反があった際の事業者の返金手段として電子マネーが使えるようになることで、返金時の対応スピードと利便性の向上が期待されます。
・違反に対する抑止力の向上が期待されます。
この改正の有効性や実効性について、施行後に一定の検証は必要でしょう。
一般消費者の利益保護が一層図られることを期待します。
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