食品表示検定ってどんな資格?難易度、テキスト、合格率は?
食品表示検定ってどんな資格?
食品表示検定は、一般社団法人食品表示検定協会が主催している民間試験です。
2009年より開始され、2022年12月末で累計15万人超の受験者を集めています。
一般社団法人日本農林規格協会(JAS協会)と日本チェーンストア協会が後援しており、食品業界での知名度は徐々に上がってきており、着実に定着しつつあります。
試験は、「初級」、「中級」、「上級」に分かれています。
全受験者数の各級の受験者数の割合としては、
「初級」:「中級」:「上級」=41%:54%:5%といった感じです。
管理人が数年前まで勤務していた食品メーカーでは、マーケティング部門、研究開発部門、品質管理部門は「中級」資格取得が義務付けられていました。
従って、食品業界への就職、転職を考えている方には、十分取得メリットのある資格だと思います。
最近は、「中級食品表示診断士」と記載された名刺を見ることも珍しくありません。ただし、「上級食品表示診断士」と名刺に記載されている方にお会いすることは滅多にありません。食品関連企業の品質保証、品質管理等の部署で仕事をされている方、あるいは食品表示関連のコンサル会社の方が「上級」を取得されている印象です。
「中級食品表示診断士」は数多くいますが、「上級食品表示診断士」は希少であり、取得する価値は大きいと思います。
一方、「初級食品表示診断士」と記載された名刺を管理人は見たことが無く、受験資格の無い「中級食品表示診断士」取得から始め、必要に応じて「上級食品表示診断士」取得を目指すのが良いと思います。
2021年11月に試験方式の変更が発表されました。
ペーパー試験 → 2022年~:CBT試験
食品表示検定の難易度は?テキスト、問題集はあるの?
食品表示検定協会の受験要項を確認すると、各級の対象は下記となります。
【初級試験】※受験資格無し(誰でも受験できる)
食品表示を理解し、商品を選択したい消費者向け
食の生産、製造、流通等の食品表示の初心者向け
【中級試験】※受験資格無し(誰でも受験できる)
生産、製造、流通等において、
食品表示の専門的な知識を得て業務に活かす必要のある人材向け
【上級試験】※受験資格有り(中級食品表示診断士)
食の生産、流通、製造等において、
食品表示のエキスパートとして業務に活かし、
責任を持って作成・指導を行う人材向け
初級、中級は協会認定のテキストが用意されています。
テキストの改訂も適時行われ、初級は7版、中級は8版が最新です(2023年3月末時点)。
※「中級」は、2023年1月17日に改訂8版が発行されました!
上級は現在テキストがありません。
10年以上前に発行されたテキストはありますが、食品表示法施行前であり、
混乱するだけなので、全くお薦めしません。
また、初級のみ協会認定問題集が発行されていましたが、
ついに、ようやく!?協会認定の中級対策問題集が発売になっています!(2022年3月発売)
また、初級対策の問題集も改定されました。(2023年3月14日発売)
中級対策には、「この一冊で食品表示がマスターできる」もおすすめします!
AmazonのKindle版(電子書籍)のみとなっています。
「食品表示基準Q&A」を4肢択一の問題形式に編集した問題集。
中級対策用だけでなく、上級対策用としても活用できるでしょう。
Amazon kindleunlimited 読み放題の対象となっており、試しに問題を解いてみる価値はありますね。初めて利用する人は30日間無料なので、とりあえず登録してみましょう。↓↓↓(30日以内に解約すれば料金発生しません。)
kindle unlimited 読み放題 ※初めて利用する方は30日間無料!2022年から始まったCBT試験対策として、電子書籍の問題に触れておく意義もあると思います。
管理人は、「初級」、「中級」の認定テキストと、「初級」の認定問題集、「初級」、「中級」、「上級」の過去6年分の過去問を入手し、難易度と出題傾向を分析しました。
過去問はメルカリで入手しました。一番入手し易いです。
メルカリでの過去問販売価格は、
「初級」900円~3,000円、「中級」1,000円~5,000円、「上級」3,000円~7,000円
もちろん、購入時期(試験直前期は高くなる傾向有り)等によって相場は変動します。
協会主催のセミナーが各級用意されており、管理人も中級セミナーと上級セミナーに1回ずつ参加しました。今はオンデマンド講座も用意されています。
管理人としては、「初級」も「中級」も試験範囲はほとんど変わらず、問題の難易度も大きく変わらないため、「中級」から受験することを推奨します。
正確には、初級と中級で問題の難易度は確かに異なりますが、初級と中級で問われる論点は同じで、選択肢が迷いなく、何となく「この選択肢っぽい!」で回答し易いのが「初級」で、ある程度の理解を必要とするのが「中級」という印象です。
従って、ある程度の勉強時間を確保出来るのであれば、断然「中級」からの受験をオススメします。
「上級」については、テキストが無く、管理人のように実務経験がほとんど無い人にとっては、より対策が取り辛いですが、中級と同様の対策を取りながら、「食品表示基準Q&A」を一通り押さえるのが合格への近道だと思います。
食品表示検定の試験時間、出題形式、合格率は?
【初級試験】
試験時間:90分間
出題形式:CBT方式による選択75問
合格基準:70点以上(100点満点)
合格率:61.3%(2022年末実施分)
【中級試験】
試験時間:90分間
出題形式:CBT方式による選択100問
合格基準:70点以上(100点満点)
合格率:48.9%(2022年末実施分)
【上級試験】
試験時間:150分間(前半45分・後半105分)
出題形式:<前半>マークシート35問、<後半>記述式
合格基準:80点以上(100点満点)
合格率:18.7%(2022年実施分)
「初級」と「中級」は年2回(例年6月と11月)試験が実施されており、6月は水曜日、11月は日曜日が例年試験日となっていました。
「上級」は1年に1回の試験で、11月下旬の日曜日 or 12月初旬の日曜日が例年試験日となっていました。
ところが、
2022年から「初級」と「中級」の試験方式が大きく変わりました。
<2021年まで>決められた試験会場に決められた試験日に集まって紙の試験用紙を渡され、マークシートの用紙にマークをつけて回答する(いわゆる昔ながらの試験方法)
<2022年~ 新たな試験方式>CBT試験。試験会場を複数カ所から自分で選択し、試験日を一定期間(数週間)の中で都合の良い日時を自分で選択し、当日は試験会場のパソコンの前に座って、画面上で回答する
※上級試験は今まで通り、例年通りの試験方法で実施されます
2023年前期試験 初級試験 2022年6月1日(木)~6月21日(水)
2023年後期試験 初級試験 2022年11月上旬~
2023年前期試験 中級試験 2022年6月16日(金)~7月9日(日)
2023年後期試験 中級試験 2022年11月中旬~
2023年試験 上級試験 2022年11月26日(日)
になります。
試験時間については、初級は余裕があります(管理人は、初級だけは実際受けていませんが、問題の質、問題数を考慮して推察)。
一方、中級はそれなりのスピードでテンポ良く解きながらマークシートにマークしていく必要があります。迷いながらゆっくり考えるだけの時間的な余裕はありません。1問当たり1分で解く計算です。ただし、100問中30問は間違っても良いので、サクサク解いて最後まで答えるのが基本戦略になると思います。
中級一発合格の方法については、下記お読みください!
上級は時間との戦いになります。
前半戦は35問を45分で解く。この前半での失点を最小限に抑えることが上級合格の肝だと断言出来ます。
また、合格基準が80点(8割)になることで、難易度が大きく上がります(他資格試験についても同様です)。
後半戦105分は、一般的には800字の論述に時間を割くことになると思います。
論述の得て不得手、対応力、準備・想定したキーワード等が活かせるかどうかなどが合否を分けると思います。
論述と比較すると、相対的に表示チェック、表示作成の問題は、比較的対応し易い印象です。
管理人は実務経験はほとんどありませんが、実務経験のある人であれば尚更、表示チェック、表示作成の問題の対応は難しく無いと思います。
履歴書に書くのであれば、中級以上が必須だと思います。
食品業界への就職、転職を目指す、あるいは食品業界に携わる人であれば、中級の知識を得ることは、普段の仕事に役立つことは間違い無いと思います。