食品表示検定 前期試験と後期試験で合格率に差があった!?
食品表示検定の前期試験(6月)と後期試験(11月)で合格率には差があります!なぜ合格率に差があるのか?上級食品表示診断士の管理人が検証します。
食品表示検定 初級・中級・上級の合格率比較・検証
2023年3月末時点で各級の試験実施回数は下記の通りです。情報更新:2022年3月29日
- 初級 25回 (※2020年前期試験、第21回中止)
- 中級 25回 (※2020年前期試験、第21回中止)
- 上級 12回
食品表示検定の前期試験は毎年6月上旬頃の水曜日、後期試験は毎年11月下旬頃の日曜日に実施されてきました。これは初級と中級に限られており、上級は年1回の試験となっており、初級・中級の後期試験が行われた翌週の日曜日に例年実施されてきました。しかし!
2022年より初級と中級は、「CBT試験」(コンピューターを利用した試験)に試験方式が変更になりました。
試験時期としては前期、後期ともにペーパー試験の時と大きく変わりません。
(注意)上級は今まで通りペーパー試験のままで、変更ありません。
2023年前期試験 初級 試験期間:6月1日(木)~6月21日(水)
2023年後期試験 初級 試験期間:11月上旬~
2023年前期試験 中級 試験期間:6月16日(金)~7月9日(日)
2023年後期試験 中級 試験期間:11月中旬~
上級試験は、2023年11月26日(日)になります。
さて、各級(初級・中級・上級)の合格率等をまとめてみました。
平均合格率 | 平均辞退率 | 延べ受験者数 | 延べ合格者数 | |
初級 | 60.34% | 9.03% | 62,096人 | 37,468人 |
中級 | 50.26% | 7.64% | 82,841人 | 41,632人 |
上級 | 15.34% | 7.03% | 7,131人 | 1,094人 |
直近実施された22年後期試験(第26回初級・中級のみ、CBT試験)の合格率は、
初級:61.3% 中級:48.9%だったことから、例年同様の難易度だったといえますが、直近数回の試験の合格率と比較すると、やや難易度が上昇したようです。
ここで、「平均辞退率」は、出願したにも関わらず受験しなかった人の割合になります。
平均辞退率は、 「初級 > 中級 > 上級」 となっており、初級の受験者は出願したけれど試験当日行かなかった人が多いということを示しています。試験を申込み、受験料を支払ったにも関わらず、ざっくり10人に1人が当日試験を受けていないということですね。
受験料 2023年 初級5,280円 中級8,800円 上級22,000円(上級のみ22年からUP)
上級試験の辞退率が最も低いのは、受験料が高いからでしょう。
また、上級の合格者数が突出して少ないこともよく分かりますが、2022年末で上級の合格者数がついに千人を突破しました!
中級試験の受験者数が一番多いことから、一番人気のある級と言え、「中級」を取得してはじめて履歴書、名刺等に記載する価値があることを反映しているのでは?とも考えられます。
中級の合格率の平均は50%を超えており、受験料、合格率、その価値等、総合的に考えると、食品表示検定で受験、合格を狙うのは、「中級」が一番良い(コスパが高い)と言えそうです。
もちろん、「初級」を合格した上で、そのステップアップで「中級」合格を狙うのも良いと思います。
ただし、手っ取り早く、就職、転職時にライバルと差をつけたいのであれば、中級合格から目指すのもありでしょう。
中級合格の勉強法は?下記ページに詳しく解説。
食品表示検定初級は後期試験(11月)の受験をおすすめします!
初級試験の前期、後期で合格率に差があるのか?
結論 差あり!
平均合格率 | 平均辞退率 | 延べ受験者数 | |
初級 前期テスト | 57.18% | 10.46% | 29,107人 |
初級 後期テスト | 63.13% | 7.72% | 32,989人 |
後期試験の方が平均合格率が5.95%高い結果となっています。平均辞退率は前期試験の方が高い。
原因はなに??後期試験の方が問題の難易度が低い?
要因を検証してみました。
・ペーパー試験であった第24回までは、前期テストは平日水曜日に行われ、後期テストは日曜日に行われていたため、後期試験の方は、金曜日夜から土曜日丸一日、日曜日の朝にかけて最後の追い込み、詰込みが効いていた
・ペーパー試験であった第24回までは、後期試験は日曜日のため、精神的に落ち着いて試験に臨めていた
・前期試験の問題を踏まえ(※CBT試験になり、過去問をペーパーで入手出来なくなった)、同じ論点は出題が減るので(頻出論点は改めて確認ができる)、出題分野に対してヤマをはる場合に、その精度が上がっていた
・ペーパー試験であった第24回までは、辞退率については、前期は平日水曜日に行われることから、急遽外せない仕事が入った等、不可抗力による辞退もあるのではないかと推測される
・前期試験で残念ながら受からなかった人が続けて後期試験に参戦することで、試験慣れと知識等が蓄積された結果として合格し、合格率を押し上げている
要因は色々と考えられますが、平均合格率5.95%の差は無視できない有意な差といえます。
前期と後期のどちらを受けるか迷うようであれば、今のところ、「後期試験」をおすすめします。
ただし、2022年試験では前期試験の方が合格率は高い結果となりました。
食品表示検定中級も後期試験(11月)の受験をおすすめします!
中級試験の前期、後期で合格率に差があるのか?
結論 差あり!
平均合格率 | 平均辞退率 | 延べ受験者数 | |
中級 前期テスト | 46.53% | 8.50% | 31,515人 |
中級 後期テスト | 52.54% | 7.11% | 51,326人 |
後期試験の方が平均合格率が約6.01%高い結果となっています。平均辞退率は前期試験の方が高い。
原因はなに??後期試験の方が問題の難易度が低い?
要因を検証してみました。
要因は初級と同様のことが考えられます。
・ペーパー試験であった第24回までは、前期テストは平日水曜日に行われ、後期テストは日曜日に行われていたため、後期試験の方は、金曜日夜から土曜日丸一日、日曜日の朝にかけて最後の追い込み、詰込みが効いていた
・ペーパー試験であった第24回までは、後期試験は日曜日のため、精神的に落ち着いて試験に臨めていた
・前期試験の問題を踏まえ(※CBT試験になり、過去問をペーパーで入手出来なくなった)、同じ論点は出題が減るので(頻出論点は改めて確認ができる)、出題分野に対してヤマをはる場合に、その精度が上がっていた
・ペーパー試験であった第24回までは、辞退率については、前期は平日水曜日に行われることから、急遽外せない仕事が入った等、不可抗力による辞退もあるのではないかと推測される
・前期試験で残念ながら受からなかった人が続けて後期試験に参戦することで、試験慣れと知識等が蓄積された結果として合格し、合格率を押し上げている
要因は色々と考えられますが、平均合格率約6.01%の差は今のところ無視できない有意な差といえます。
また、中級試験に特徴的なのは、受験者数が後期試験の方が多いことです(※初級も後期試験の方が多いのですが、差はわずかです)。
これは、前期試験が全11回、後期試験が全14回行われていたため、当たり前のように思われるかもしれませんが、試験1回当たりの受験者数を比較しても差があります。
中級前期試験の受験者数(平均):2,865人 ⇔ 中級後期試験の受験者数(平均):3,666人
2021年までは、後期試験に受験者が片寄っていた要因の1つとして、食品表示検定試験と業務等で関連の深い人たち(食品メーカー勤務者等)が、前期の平日には試験を受けるのが難しく、後期の日曜日でしか受験ができないためでは?、と推察していました。それで、意識の高い人たちが後期試験に集まり、合格率を引き上げているのではないか、とも考えていました。
これらの推察は多少当たっていたかもしれません。
なぜならば、CBT試験に変更になり、試験日を選択できるようになったことから、本試験始まって以来初、22年の試験では前期試験の受験者数が後期試験の受験者数を上回りました。
といっても、少し長い目で見る必要があり、今のところ後期試験の合格率が6.01%高いのは事実です。
前期と後期のどちらを受けるか迷うようであれば、今のところ、「後期試験」をおすすめします。
食品表示検定のテキスト、問題集等は下記ページで紹介しています。