上級食品表示診断士が見た! ビッグカメラに行政処分(景表法違反)
株式会社ビックカメラ及び株式会社ビック酒販に対し、景品表示法に基づく措置命令が行われたことが令和3年9月3日に消費者庁からニュースリリースされています。
消費者庁は、本日、株式会社ビックカメラ及び株式会社ビック酒販に対し、各社が供給する商品に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第3号(商品の原産国に関する不当な表示第1項又は第2項)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。
消費者庁HP
自社のウェブサイトで販売していた酒類25品(食品以外は177品)について誤った原産国を表示していたものです。
実際の原産国:ドイツ連邦共和国 → ウェブサイトの表示「産地:メキシコ」等々
「原産国」とは、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為(実質的変更行為)が行われた国をいいます。
食品表示基準第3条第2項において、輸入品にあっては、原産国名を表示することが義務付けられています。
「輸入品」とは、
① 容器包装され、そのままの形態で消費者に販売される製品(製品輸入)
② バルクの状態で輸入されたものを、国内で小分けし容器包装した製品
③ 製品輸入されたものを、国内で詰め合わせた製品
④ その他、輸入された製品について、国内で「商品の内容について実質的な変更をもたらす行為」が施されていない製品
を指します。
「輸入された製品について、国内で商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が施されていない製品」とは、
① 商品にラベルを付け、その他標示を施すこと
② 商品を容器に詰め、又は包装をすること
③ 商品を単に詰合せ、又は組合せること
④ 簡単な部品の組立てをすること
これに加え、関税法基本通達では、
⑤ 単なる切断
⑥ 輸送又は保存のための乾燥、冷凍、塩水漬けその他これに類する行為
⑦ 単なる混合
についても、原産国の変更をもたらす行為に含まれない旨が明記されています。
恐らく、今回の表示間違いは組織的に意図したものではなく、何かしらの属人的なケアレスミスが重なった程度のものだと思われますが、仮に担当者が間違った際にチェックする社内体制があったのかどうか、体制が整備されていたとしても、それが普段から機能していたのかどうか等が気になるところです。
たかが表示、されど表示であり、食品表示の作成等を行う担当部署の体制面や運用面を今一度見直すきっかけとしたいですね。
ウェブサイトでの表示は、タイムリー、フレキシブルに更新可能である反面、そのチェックが疎かになりがちです。そこに落とし穴がありそうです。
コロナ禍でネット販売、通信販売が好調を維持しており、アフターコロナの時代においてはインターネットを通しての販売は今以上に重要な販売チャネルになると思います。
今後一層、実際の商品パッケージの表示だけでなく、ウェブサイトでの商品紹介ページの表示についても間違いが無いように細心の注意を払う必要がありそうですね。
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